ROEが低下していく企業の価値計算方法
前回、擬似債権で利回りを計算する場合、
ことが必要だろう、という話でした。
今回は、ROEが低下する前提で利回りを計算するにはどうすれば良いか、について考えてみます。
すでに自己資本比率が十分高い場合、ROEを維持できる大きな投資先が存在し続ける場合を除き、資産(主に現金)の蓄積が進み、ROEが年々低下していきます。そして、ROEが8%を下回り、PBRが1倍付近で売買される資産バリュー株が誕生します。
なので、この間の記事に記載したPBRが1倍の場合の利回りがどうなるかを考える必要があります。(ここでは、ROEが維持される前提で計算しているので、ROEが低下していく前提では利回りは異なります)
ROEの推移について考える場合は、企業の資本戦略、投資戦略(正しくはなんていうんでしょうね?)がどの段階に入っていて、どう移り変わっていくのか、を考える必要があります。
段階として、思いつくのはこんな感じでしょうか?
- 負債返済フェーズ(FCFプラス、財務CFマイナス、総資産±0)
→前年度比利益が同じならROEはROAに収束 - 資産蓄積フェーズ(FCFプラス、財務CFマイナス、総資産プラス)
→前年度比利益が同じなら増加した資産に応じてROEは低下(ROAも低下) - 積極投資フェーズ(FCFマイナス、財務CFプラス、総資産プラス)
→前年度比利益が同じなら低下した自己資本比率に応じてROEは向上
企業が【積極投資】→【負債返済】→【資産蓄積】と推移する場合は、ROEはあがって、ROAに近づいて、資本の蓄積にあわせて下がります。
積極投資の時期は何年くらい、どの程度の金額の投資が可能で、どれくらいのリターンが得られるか、について考えます。
投資によって増加した利益と蓄積できる資本を考慮して、積極投資の時期のROEの推移を計算します。
負債返済の時期では、得られる利益から何年で負債を減らしていけるか、を考えます。
自己資本比率が8割くらいになるまで負債の返済を続けると何年かかるかを計算します。その期間でROEはROA÷0.8に収束します。
資産蓄積の時期では、増えた利益に従いROE、ROAが低下していきます。
上記の計算を10年分くらいやってみて、複利での1年当たりの利回りを計算すれば、ROEがずっと維持される前提のものと比較して厳密ではないものの、より正しく利回りが計算できるのではないでしょうか?
ただ、将来の想定ROEによって、評価されるPBRが大きく異なるので注意が必要です。
例えば、PBR3倍、ROE30%の銘柄が将来的にROE8%まで低下する場合、PBRが1倍と評価されることが多いので、ROE8%まで低下する間に、企業の株主資本が3倍以上に成長していないと損失がでる可能性もあります。
(推移は企業ごとに異なるので、四季報CD-Rの計算式を作ってみるということはしませんが)
次回は、少ない運転資本のみでビジネスを継続することができるけど、資産蓄積フェーズに入っているため、ROEとしては魅力が低いと評価されている銘柄を発掘する方法について考えてみようと思います。
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ROEを維持できる企業
擬似債権の考え方を利用して銘柄を選ぶ場合、ROEが長年にわたって維持されることを前提に利回りを計算しています。
でも実際はそうなるわけではなく、”多くの”日本企業の平均といわれている7~8%に徐々に近づいていくとされています。
なので、
ことが必要になります。
今回はROEが下がらない企業はどんな企業か、について考えてみました。
私の考えている条件は、
あたりではないかと考えています。
ROEだけでなく、ROAも高い
企業が稼いだお金を有利子負債の返済に充てるとするならば、仮に企業が無借金状態になったときでも、総資産に対する利益(ROA)が高かったので、ビジネスが順調であれば負債を返し終わるまでの間はROEはROAの水準程度にしか下がりません。
総資産はそのままで、自己資本がつみあがり、負債が減っていくという状態です。
売上高、利益の成長率が高い
自社株買い、配当性向の変更、負債の返済、借り入れ、増資などを行わない場合は、現状のROEを維持するためにはROE×内部留保率よりも大きな利益の成長が必要です。この数字を満たしている企業はROEは下がりません。(例えば、ROE20%で配当性向40%(内部留保率60%)の場合は利益の成長が12%あれば、ROEは低下しない)
配当などの株主還元に積極的
これは高いROEを維持するために自己資本を減らしてしまうことによりROEを維持する方法です。
ROEは維持できるかも知れませんが、もし企業の規模の成長を期待して投資したいのであれば、過剰な配当や自社株買いによってROEを維持しているような企業は避けたい、というのが私の考えです。
自社株買いは、自社の株価があまりにも割安で、解散価値を下回っているような場合には有効であると思うのですが、PBRが3倍とかで評価されている企業が、下方修正の開示と同時に自社株買いを発表していたりするのをみると、タイミングは今じゃないだろって思います。企業自体が帳簿に記載されている価格よりも高い価格で資産を買い戻していることになるので、企業価値を下げることになるのではないかと思うからです。
以上の観点から、私が高ROEの銘柄を買うときには、ROAも高いか、売上高、利益の伸びはROEに見合うくらい高いか、株主資本を減らすことで維持しようとしていないか、を(一応)確認するようにしています。
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擬似債権計算式
現在、投資の判断に擬似債権の考え方を採用しているので、それをご紹介します。
私はPBR1倍の場合にマイナスの利回りにならないもので、PBR10倍のときで15%の利回りが想定できるものを投資の対象としています。
ROE、配当性向が10年間変わらなかったとして、10年後に株価がPBRが1倍と評価された場合、PERが10倍と評価された場合、PERが現在と変わらない場合の想定される年間の複利での利回りの計算式です。四季報CD-Rの条件のところにそのまま入れると利用できます。
ただこの方法ではROEの高い銘柄を選ぶことになるのですが、内部留保により株主資本が増えることでROEは下がっていくのが一般的です。ROEを下げないためには、ROE×内部留保と同等の純利益の成長が必要になります。擬似債権で銘柄を選択する場合は、ROEを維持できるかどうかについても考える必要がありますが、将来の利益については(予測はできても)誰にも確かなことが分からないので難しいところです。
※全角の()は半角の()、に変換して四季報CD-Rに入れてください。
10年後にPBR1倍
((((([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*(1+(([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*(1-[DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])))^10+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^2+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^3+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^4+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^5+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^6+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^7+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^8+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^9)/[DL・日足終値(円)(-1)])^(1/10)-1)*100
10年後にPER10倍
((((((([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*(1+(([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*(1-[DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])))^10*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)]))*10)+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^2+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^3+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^4+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^5+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^6+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^7+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^8+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^9)/[DL・日足終値(円)(-1)])^(1/10)-1)*100
10年後もPERは現状と変わらない場合(利回りはROE×内部留保率とほぼ同じ)
((((([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*(1+(([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*(1-[DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])))^10*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・日足終値(円)(-1)]/([DL・当期利益(-1)]/([DL・最新株数(株)(-1)]/1000000)))+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^2+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^3+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^4+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^5+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^6+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^7+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^8+(([DL・株主資本(-1)]*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1)])*([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)])*(1+([DL・当期利益(-1)]/[DL・株主資本(-1)])*([DL・1株配当(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(-1)]))^9)/[DL・日足終値(円)(-1)])^(1/10)-1)*100
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四季報CD-Rのスクリーニング
私は年に1、2回、四季報CD-Rを購入しています。
価格は7千円くらいで、初めて買ったときはとても高く感じ、値段に見合う価値はあるのかと疑問でした。
初回は案の定、使いこなすことはできず、7千円の価値は発揮できずに終わりました。
当時企業から送られてくるレポートも読まずにゴミ箱行きで、決算書なんてまともに読んだことすらなく、株なんて適当に買って値段が上がればラッキーくらいにしか考えていなかったことが原因です。
このときに作ったポートフォリオは運良く全体ではプラスだったのですが、購入した銘柄のいくつかで痛い目に会い、せめて決算書くらいはちゃんと読めるようにならなければと思い、決算書の読み方を勉強しました。
そのおかげで、四季報CD-Rに入っている項目の意味も理解して使えるようになり、今では7千円の価値もあるのかなと感じています。
現在条件式として利用しているものを紹介します。
PBR
計算式
[DL・日足終値(円)(-1)]/[DL・1株純資産(円)(-1)]
解説
一般的に良く用いられる指標。帳簿への資産の計上なんてどうにでもなるので、ここはまあ参考程度にしています。会計基準がIFRSとかだと、買収した企業ののれんとか、無形固定資産みたいなものが乗っかってたりするので注意が必要。なので、参考程度。
一株あたりの解散価値(グレアム方式)
計算式
(([現金預金(-1)]+[受取手形・売掛金(-1)]*0.85+[棚卸資産(-1)]*0.5+[土地(-1)]*0.7+[有価証券(-1)]+[連・投資有価証券(-1)]-[流動負債(-1)]-[固定負債(-1)])*1000000)/[DL・最新株数(株)(-1])
解説
企業の資産価値(解散価値)としてはこちらが妥当かと。
EV/EBITDA
計算式
([DL・日足終値(円)(-1)]*[DL・最新株数(株)(-1)]/1000000+[有利子負債(-1)]-[現金預金(-1)]-[連・投資有価証券(-1)]-[有価証券(-1)])/([営業利益(0)]+[減価償却費(0)])
解説
外資系の企業がM&Aするときに良く用いるらしい指標。企業を丸ごと購入すれば何年で投資金額が回収できるかを考えるときに使う。資産から現金とかそれに相当するものを省いて考えることができる。真のPERと解説しているところもあります。
PER(今期予想)
計算式
[DL・日足終値(円)(-1)]/[DL・1株益(円)(0)]
解説
一般的な指標。四季報CDーRでは(0)と後ろにつければ今期予想の数値を利用できる。
前期ROE
計算式
[連・ROE・平均(%)(-1)]
解説
一般的な指標。(-1)は前期の数値を表す。
前期ROA
計算式
[連・ROA・平均(%)(-1)]
解説
こちらも一般的な指標。
余剰キャッシュを除外したROE
計算式
([連・当期利益(-1)]/([連・自己資本(-1)]-[連・現金預金(-1)]+(([連・棚卸資産(-1)]/[連・売上原価(-1)]+[連・受取手形・売掛金(-1)]/[連・売上高(-1)]-([連・支払手形・買掛金(-1)]+[連・手形割引譲渡高(-1)])/[連・売上原価(-1)])*[連・売上高(-1)])))*100
解説
企業が溜め込んでいる余剰な現金等を除外したときの資本(ビジネスを行うために必要な資本)の運用効率を図るために独自に考えた指標。現金に相当するものをばっさり引いてしまうのはちょっと乱暴なので、分母の資本として、株主資本から現金に相当するものを引いてキャッシュコンバージョンサイクルに売上高をかけた金額を足したものを用いています。時々とんでもなくでかい数字になったりします。現金をたっぷり溜め込んでいるとマイナスになったりします。自己資本比率に合わせて金額を調整してもいいかもしれません。
余剰キャッシュを除外したROA
計算式
([連・当期利益(-1)]/([連・総資産(-1)]-[連・現金預金(-1)]+(([連・棚卸資産(-1)]/[連・売上原価(-1)]+[連・受取手形・売掛金(-1)]/[連・売上高(-1)]-([連・支払手形・買掛金(-1)]+[連・手形割引譲渡高(-1)])/[連・売上原価(-1)])*[連・売上高(-1)])))*100
解説
キャッシュコンバージョンサイクル(日数)
計算式
[連・棚卸資産(-1)]/[連・売上原価(-1)]*365+[連・受取手形・売掛金(-1)]/[連・売上高(-1)]*365-([連・支払手形・買掛金(-1)]+[連・手形割引譲渡高(-1)])/[連・売上原価(-1)]*365
解説
企業がどれだけ現金の回収までに時間をかけているのかを現した指標。余剰キャッシュを除外したROE、ROAを計算するときに、企業がどれだけの現金をビジネスに利用するか算出するのに利用。
擬似債権について
今年は擬似債権の考え方を採用して、利回りが比較的高そうだった、クイック、戸上電機、JACリクルートメント、eBASEを購入しました。
http://tachibanasuguru.blog56.fc2.com/blog-category-40.html
去年までは解散価値やEV/EBITに重点を置いていたのですが、初めて高PBR、高PER銘柄に手を出しました。
JACリクルートメントについては、800円台で購入して、1200円台で売却しました。擬似債権の考え方を採用したところ、想定されていた利回りを上回り50%の利益が出たので、一度すべて売却しました。
JACリクルートメントについては利益を得ることができたのですが、eBASEについては含み損、クイック、戸上電機については最近やっと含み損が解消されたという状況です。
それぞれの銘柄についてPBR、ROEの観点で考察してみました。
高ROE、高PBRの銘柄
クイック、eBASEについてはROEが20%以上と非常に魅力的だったのですが、PBRも3倍以上と高い銘柄でした。
購入後、日経平均が大きく暴落し、この二つの銘柄では大きな含み損を出したのですが、高PBR、高PERの銘柄は価格に大きな期待が反映されており、相場の下落局面では大きく売られてしまう、ということが分かりました。
JACリクルートメントでは損失は出しませんでしたが、私が売った後1600円くらいまで上昇し、その後1100円台まで下がりました。
この銘柄は相場の下落の影響はあまり受けていませんでしたが、あまりよろしくない(?)月次発表が出たようで、大きく売られてしまったようです。
どちらにしても、高ROE、高PBRの銘柄は相場全体の期待、個別の期待が下がったときは覚悟する必要がありそうです。
高ROE、中程度(1~2倍)PBR銘柄
戸上電機はこれに該当します。高ROEに惹かれて投資したのですが、その後の相場の下落やあまりよろしくない来期予想にもかかわらず、上記の銘柄ほど大きく下がりませんでした。期待が大きくない銘柄だったので、下落もそんなに大きくなかったんでしょうか?
擬似債権の欠点は企業の成長の限界を考慮できないこと
擬似債権の考え方を採用すると、ROEに対してPBR、PERが低い銘柄を探すことになります。
ROEに対してPBR、PERが低い銘柄に投資することで、全体と比較して割安な銘柄に投資できることになると思います。
ですが、擬似債権の考え方はROEが数年にわたり維持されることが前提となっています。
実際はROEは市場平均に回帰するのが一般的で、高いROEを維持できる銘柄はごくまれなようです。
(大きな自社株買いによる株主資本の減少によるものを除く)ROEを維持できる銘柄を探し出す方法というのはかなり難しそうなので、ROEの推移を予測して企業価値を計算して、割安な銘柄に投資するのが現実的なんでしょうね。
ご参考
理論株価の考え方について
理論株価の計算方法については、下記のどれを使うのが良いかと試行錯誤しています。
- 割引配当モデル
- ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法
- 残余利益モデル(超過利益評価法)
割引配当モデル
ファイナンスの知識でおそらく一番最初に知った企業価値の計算方法。
成熟した企業で、不景気でも大きなダメージはなく、配当も安定している(が、成長は望めない)企業についてはこの方法は使えると思います。
この方法は帳簿に記載される見かけの利益に悩まされることなく、配当という実際に手元に入ってくるお金を元に計算できるところがいいですね。
ただ、私としては成長する割安な企業に投資したいので、あまりこの方法は使いません。不動産の価値算定にも配当のところを実際に得られる家賃と考えればそのまま使えそうです。
理論株価=配当/割引率
ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法
おそらく企業価値の計算ではもっとも用いられる方法じゃないでしょうか?
ただ、私としては企業の資産価値については価値算定には含まれていないところがいまいちだなと感じています。
理論株価=純利益/(割引率-利益成長率)
残余利益モデル(超過利益評価法)
資産価値(PBR)に市場のリスクプレミアム(であってましたっけ?^^;)を超過した分の利益(株主資本×(ROE-リスクプレミアム))を割引率で割ったものを足した額を理論株価とする方法。
私としては、資産価値を企業価値に反映できることと、資産価値をグレアムの方法で解散価値として計算するなどのアレンジができるところがよさそうだなと考えています。
この方法を今後スクリーニングに使っても良いと考えています。
私の投資法
基本的にはスクリーニングして引っかかった銘柄に対して、企業がどんなビジネスを行っているのか、成長性はあるのかを検討して、よさそうであれば投資しています。
スクリーニングの条件は自分の中で確固としたものがまだ出来上がっておらず、あれやこれやといろんなものを試しています。
投資に利用しているもの
今までに読んだ本
- ベンジャミングレアムの賢明なる投資家
- 東大卒医師が教える科学的「株」投資術など
参考にしているブログ