チキンによるチキンのための長期投資ブログ

やけくそになって有り金のほぼすべてを株式投資に投じてみました

ROEが低下していく企業の価値計算方法

前回、擬似債権で利回りを計算する場合、

  • ROEが低下することを前提に利回りを計算する
  • ROEが維持される企業を探し出す

ことが必要だろう、という話でした。

 

今回は、ROEが低下する前提で利回りを計算するにはどうすれば良いか、について考えてみます。
すでに自己資本比率が十分高い場合、ROEを維持できる大きな投資先が存在し続ける場合を除き、資産(主に現金)の蓄積が進み、ROEが年々低下していきます。そして、ROEが8%を下回り、PBRが1倍付近で売買される資産バリュー株が誕生します。
なので、この間の記事に記載したPBRが1倍の場合の利回りがどうなるかを考える必要があります。(ここでは、ROEが維持される前提で計算しているので、ROEが低下していく前提では利回りは異なります)

yasuyuki-t.hatenablog.com

ROEの推移について考える場合は、企業の資本戦略、投資戦略(正しくはなんていうんでしょうね?)がどの段階に入っていて、どう移り変わっていくのか、を考える必要があります。
段階として、思いつくのはこんな感じでしょうか?

  • 負債返済フェーズ(FCFプラス、財務CFマイナス、総資産±0)
    →前年度比利益が同じならROEROAに収束
  • 資産蓄積フェーズ(FCFプラス、財務CFマイナス、総資産プラス)
    →前年度比利益が同じなら増加した資産に応じてROEは低下(ROAも低下)
  • 積極投資フェーズ(FCFマイナス、財務CFプラス、総資産プラス)
    →前年度比利益が同じなら低下した自己資本比率に応じてROEは向上

企業が【積極投資】→【負債返済】→【資産蓄積】と推移する場合は、ROEはあがって、ROAに近づいて、資本の蓄積にあわせて下がります。

積極投資の時期は何年くらい、どの程度の金額の投資が可能で、どれくらいのリターンが得られるか、について考えます。
投資によって増加した利益と蓄積できる資本を考慮して、積極投資の時期のROEの推移を計算します。

負債返済の時期では、得られる利益から何年で負債を減らしていけるか、を考えます。
自己資本比率が8割くらいになるまで負債の返済を続けると何年かかるかを計算します。その期間でROEROA÷0.8に収束します。

資産蓄積の時期では、増えた利益に従いROEROAが低下していきます。


上記の計算を10年分くらいやってみて、複利での1年当たりの利回りを計算すれば、ROEがずっと維持される前提のものと比較して厳密ではないものの、より正しく利回りが計算できるのではないでしょうか?

ただ、将来の想定ROEによって、評価されるPBRが大きく異なるので注意が必要です。
例えば、PBR3倍、ROE30%の銘柄が将来的にROE8%まで低下する場合、PBRが1倍と評価されることが多いので、ROE8%まで低下する間に、企業の株主資本が3倍以上に成長していないと損失がでる可能性もあります。
(推移は企業ごとに異なるので、四季報CD-Rの計算式を作ってみるということはしませんが)

 

次回は、少ない運転資本のみでビジネスを継続することができるけど、資産蓄積フェーズに入っているため、ROEとしては魅力が低いと評価されている銘柄を発掘する方法について考えてみようと思います。

 

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